「人とのコミュニケーションですぐにイライラしてしまう」
「すぐにマイナスなことを考えてしまう」
「自分や他者に優しく慣れない」
こういった方は「慈悲の瞑想」を実践することをおすすめします。
慈悲の瞑想とは、簡単にいうと「自分や大切な人を思い浮かべて、幸せを願う瞑想法」です。
具体的には「自分自身」や「自分の大切な人」を思い浮かべて、「慈悲のフレーズ」を唱えていきます。
瞑想にはさまざまな種類がありますが、慈悲の瞑想は最も心が穏やかになる瞑想法と言ってもおかしくありません
そこでここでは、慈悲の瞑想のやり方や効果、フレーズなどを紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
慈悲の瞑想の効果とは
まずここでは、慈悲の瞑想の実践により得られる効果を4つ紹介します。
人によっては、「フレーズを唱えるだけで本当に効果があるの?」と疑問を抱く方もいるでしょう。
しかし、実際にさまざまな研究でその効果は実証されているのです。
さっそく見ていきましょう!
不安やストレスに耐性ができる
「扁桃体」とは、恐怖や不安などのネガティブな感情に関係している部位のこと。
「扁桃体」が小さくなることでネガティブな感情に囚われにくくなり、不安やストレスの耐性をつけられるのです。
共感性が向上する
慈悲の瞑想を継続して行うことで、共感性に関係する脳の部位が活性化することがわかっています。
それによって、「人の気持ちに敏感に気づける」「自分や他人に思いやりの気持ちを向けられる」といった効果が期待できます。
また、相手のありのままを受け入れられるため、良好な人間関係を築きやすくなるでしょう。
思考がポジティブになりやすい
慈悲の瞑想をすることでポジティブな感情が増えて、物事をプラスに考えられるようになります。それによって、うつ症状の改善にもつながります。
実際に、鬱やトラウマといった精神疾患を持つ人への治療の一貫として、慈悲の瞑想が使われているケースもあるんですね。
また、病気や怪我による慢性疼痛を軽減する効果があることも実証されています。
アンチエイジング効果
慈悲の瞑想をすることで、アンチエイジング効果も期待できます。
実際にノースカロライナ大学の研究により、慈悲の瞑想を12週間継続したところ、細胞の老化を防ぐことがわかっているのです。
少人数で短期間の研究のため、確実とは言えませんが期待は大きいです。
慈悲の瞑想のやり方とフレーズを紹介
ここでは、慈悲の瞑想のやり方とフレーズを紹介していきます。
ここで紹介する慈悲のフレーズは、ほんの一部です。そのため、実践に慣れてきたら言葉を増やしたり自分でアレンジしたりと工夫するのもいいでしょう。
①. 姿勢を整える
まずは、あぐらで床に座ります。床に座るのがつらい場合は、椅子に座っても問題ありません。
全身の力を抜き、リラックスしながら背筋を伸ばします。コツとしては「頭の天辺を天井から糸で引っ張られているようなイメージ」を持つのがおすすめです。
目は軽く閉じてもいいですし、薄く目を開けたまま一点を見つめておいても大丈夫です。手は膝か腿の上の楽な位置に置いておきましょう。
頬を少しだけあげて、やさしい表情を意識することで、自然と顔の筋肉が緩んでリラックスできますよ。
② 深呼吸で心のざわつきを静める
姿勢を整えたら、次に深呼吸を行います。
イメージとしては「体全体に空気が流れていくイメージ」を持つといいでしょう。
鼻から吸って鼻から吐き出すのが基本ですが、呼吸が難しい場合は口で行っても問題ありません。
深呼吸を3〜5回行うことで心のざわざわが静まり、瞑想の効果が高まりやすくなるんですね。
③ 自然な呼吸を観察する
深呼吸を終えたら、次は自然な呼吸を行っていきます。呼吸をする際に、呼吸をコントロールする必要はありません
普段しているありのままの呼吸をしながら、「息を吸っている、吐いているとき」の感覚を3分間ほど観察していきましょう。
④ 自分自身に慈悲のフレーズを唱える
ここから慈悲のフレーズを唱えていきます
まずは、自分自身のことを思い浮かべて、以下の「慈悲のフレーズ」を心の中で唱えていきましょう。
「私が幸せでありますように」
「私の夢や願いが叶いますように」
「私が健康でありますように」
「私が穏やかに暮らせますように」
慈悲のフレーズは、焦らずにゆっくりと唱えることが大切です。
また、唱えているときに「自分の楽しそうにしている姿」「穏やかに生活している姿」などを想像してみるのもおすすめです。
⑤ 自分の大切な人を思い浮かべて慈悲のフレーズを唱える
次に、家族や友達、恋人など、自分の大切な人のことを思い浮かべて、慈悲のフレーズを唱得ていきましょう。
「私の大切な人が幸せでありますように」
「私の大切な人の夢や願いが叶いますように」
「私の大切な人が健康でありますように」
「私の大切な人が穏やかに暮らせますように」
大切な人が楽しそうにしている姿を思い浮かべながら唱えて見てください。
⑤ 呼吸に注意を向けて終了
慈悲のフレーズを唱え終えたら、最後にまた呼吸に注意を戻します。
ありのままの呼吸を3分ほど行い、気持ちをリセットして終了になります。
慈悲のフレーズは、ここで紹介した以外にもさまざまなものがありますが、ここではあえて少なくしています。
実践に慣れてきたら、フレーズを増やしたりアレンジしたりしても大丈夫です。
また、今回は「自分自身」と「自分の大切な人」を思い浮かべて慈悲のフレーズを唱えましたが、「中立的な立場の人」や「会ったことのない人」「自分の苦手な人」へ慈悲のフレーズを唱える方法もあります。
その場合少しだけ難しくなるので、徐々にフレーズを唱える対象範囲を広げていくといいでしょう。
まとめ
この記事では、慈悲の瞑想の効果ややり方、フレーズなどを紹介してきました。
慈悲の瞑想を継続して行えば、自分や他人に思いやりを持って接することができるようになります。思考もポジティブになりやすく、毎日を穏やかに過ごせるようになるでしょう。
週に2〜3回からでもいいので、継続的に実践してみてはいかがでしょうか。