瞑想は集中力の向上、ストレス軽減や感情のコントロール能力の向上、リラックス効果、質の良い睡眠を促すなど、その効果は科学的にも証明されています。
そんな瞑想の効果を期待し試してみたけれど、「あまり効果が得られなかった」「瞑想のやり方が正しいかわからず、挫折してしまった」という方々も多くいらっしゃることと思います。
そこで、今回は瞑想の効果を最大限に得る秘訣をご説明します。
1.瞑想の効果を得る秘訣① ~自分に合う瞑想法を見つける~
「瞑想」と言っても様々な種類があります。瞑想の歴史は古く、その始まりは約5000年前からとも言われ、約1000種類以上の瞑想法があると言われています。まずは「何を目的に瞑想をおこないたいのか?」を明確にすると、瞑想法を選択する際に迷わずに済むでしょう。
例えば、「ストレス低減や悩みを解消したい」「睡眠の質を向上させたい」「自分のありのままを受け容れ自己受容力を育みたい」「自分の能力の向上をはかりたい」など、瞑想する意図をしっかりと持っておくことが瞑想の効果を得ることやモチベーションアップにつながります。
大まかに瞑想のカテゴリーを分けると、
①集中法
②観察法
③自己超越法に分けることができるでしょう。
①集中瞑想は1点に注意を向けていく方法で、代表的なものでは呼吸瞑想、座禅、チャクラ瞑想、マントラ瞑想などがあります。集中力を高めたい、心を安定させたいという方や、記憶力やパフォーマンスの向上を目的とした方に向いています。
②観察瞑想は集中力を育み、その集中力を使いながら、とらわれを手放して「ありのままを観る」観察力を養う方法です。代表的な瞑想法はヴィパッサナー瞑想やマインドフルネス瞑想です。日常での気づきの力を高めたい、自分を理解し自己受容力を高めたい、メタ認知力(自分の認知活動を客観的にとらえる力)の向上やEQ(「心の知能指数」と呼ばれる自分や他者の感情を知覚し、自分の感情をコントロールする力)を高め、社会とより良くつながりたいという方に最適です。
③自己超越法はTM(超越)瞑想に代表される瞑想法で、マントラなどを用いて努力なく自動的に心の落ち着きや生理機能の安らぎを得る方法です。深いリラクゼーションや心の静寂、至福の感覚を求めている方にお勧めと言えます。
2.瞑想の効果を得る秘訣② ~信頼できる指導者を見つける~
前章であげた通り、瞑想には様々な方法があり、ご自分の目的に合った瞑想を選ぶこと、そして試してみたいという瞑想法が見つかったら、信頼できる指導者を見つけるということが重要です。瞑想は心を扱う繊細な方法だからこそ、指導者への信頼が大きな鍵となります。また、瞑想を続けるなかで自己成長を疑うような「停滞期」とも取れる状態に陥ることがあるでしょう。そのようなとき、「自分は瞑想に向いてない」「この瞑想法は良くない」といった思いに苛まれることがあるかもしれません。指導者の存在や経験によるアドバイスは、そんなときに瞑想への取り組み方についての気づきや支えとなり、継続のモチベーションにもつながることでしょう。
また、現在コロナ禍の影響や社会的な不安があるなかで多くの瞑想に関する書籍が出版され、動画などでも実践できる環境にありますが、独自の解釈を加えておこなうことは危険性を伴います。例え瞑想の方法が理解できたとしても、瞑想の実践中に起こる様々な体験、思考や感情について戸惑うことも多いはずです。そのようなとき、すぐに質問ができること、また誤った方向性に進んでいるようであれば、軌道修正をするためにも指導者の存在は欠かせません。
3.瞑想の効果を得る秘訣③ ~継続の必要性~
瞑想の効果を得るための秘訣3つ目は継続です。「瞑想は数回おこなうだけで良い」「気の向いたときにたまにやれば良い」といったものでは残念ながらありません。瞑想の効果をしっかりと得たいのであれば「継続」が重要になります。
現在、瞑想の研究が盛んに行われ、エビデンスに基づいた効果が次々と証明されていますが、瞑想の継続によって普段は使用していない脳の部位の血流が増し、脳の厚みが増すことがわかっており、筋力トレーニングのように続けることでその効果が発揮されることがわかっています。
また、欧米の脳科学の分野での研究では、瞑想の効果を実感するまでには8週間程度の継続が必要という結果が示されています。また、日本の某企業によるマインドフルネス瞑想の効果が出るまでについてアンケート調査結果によると、約半数の人が4週間程度で、85%の人が8週間程度の継続で瞑想の効果を実感していると答えています。その中でもストレス軽減、不安感などの感情コントロール能力の向上、心の穏やかさが育まれているといった効果を実感している人が上位を占めています。
そうは言っても瞑想の継続は難しいと思われる方々も多いことでしょう。まずは、ぜひ瞑想クラスやワークショップなどに通い、正しい方法を身に付け、指導者や一緒に実践する仲間と交流をすることで継続につながります。また、毎日継続するためにも瞑想の結果や効果にこだわらずに、ハードルを下げて短い時間でも続けるということを大切におこなってみてくださいね。